そらとぶオタク

旅行と美術鑑賞も好きなオタクによる雑多な記録。主に推し事、展示会、宿泊記など。

特別展「きもの KIMONO」を行って感じた事のキロク

まえおき

接触確認アプリで陽性者接触の通知が来たため、8月のほとんどを自宅待機で過ごしました。

この通知を受け取ったのが楽しみにしていた舞台の前日だったのでべしょべしょに泣いた話はこちら↓

 

momoent.hatenablog.com

 

「コロナに感染するおそれがあるから自宅待機」

「無症状でコロナを感染させてしまう可能性があるから自宅待機」
では心理的な苦痛が全然違いました……。

自身の体調に憂い、ちょっとした症状でも新型コロナにかかったんじゃないかという疑心にかられ、保健所に連絡してPCRを受けるかどうかの悶着を抱える。

そんな生活だったので、もうこれは心の拠り所を作って耐えるしかない!と思ったのが、自宅待機から1週間すぎたあたり。
私の心の拠り所としたのは東京国立博物館で開催していた特別展「きもの KIMONO」(以下、きもの展)

kimonoten2020.exhibit.jp


昔から楽しみに拝読しているブログでもすごいとのコメントされ、
Twitterのフォロワーさんもよかったと言っていたのがきっかけです。
特別展「きもの KIMONO」 | 青い日記帳

通知が来る前から行きたかったんですよ……

保健所から指定された自宅待機期間が終わって数日だけ開催されている!
流石に自宅待機終わってすぐ行くのは憚れるので、
自主解禁日の数日後、会期終了ギリギリに行ってきました。


…前段が長いですね。すみません。
展示は終了しているので、細かい展示の感想もいれつつ一言感想です。
細かく書いていくとなんかすごい文字数になりそうだ……。

全体の感想

よかった!!これに尽きる。
コロナ禍の美術展って運営が難しいだろうに、本当にクオリティを落とさず開催できるのはすごい。

展示されている着物(着物って表現していいのかな?)どれを取ってもすごい。
豪華絢爛、質実剛健

音声ガイドのIKKOさんのお言葉や、岡本太郎さんがコメントしていたように
『着物を着るということは美術品を身にまとうということ』
その言葉にはっとしました。

きもの展のWebサイトを開いたときに表示される「それは、ニッポンの花道」にも通じるなぁと。

そして、その言葉通りの着物たち。
ある意味、西洋におけるジュエリーと一緒の言葉にも納得がいきました。
それが故に、お金がない時に着物を質に入れるという使い古された表現があるんだとも。
特に第2章の江戸幕府が豪華な着物を仕立てて破産しないよう制限したという話で特にそう思いました。
言葉のニュアンスとしては卒業式とかで私も着た袴スタイルは、それこそ大正時代に出てきたスタイルでそれが「大正ロマン」と指しているのもなるほどと感じました。

以下、展示構成の各章について

序章の感想

着物を持っているわけでも、着るわけでもなく、遠巻きに見ているだけの身分としては着物の知識は殆どないんですよね。
母親が着物を仕立てる仕事をしていたので、大島紬とか白大島とかはわかるんですが……というレベル。

そんな初心者な私には「小袖」は初めて知った単語!
着物元になっていて、それはもともとは宮廷貴族の方が着用している下着だったとのこと。
……しらなかった!
え?じゃあ、庶民の方が着ているものはなんだったんだろう??という疑問も起きますが、
また気が向けば調べてみよう。

『序章』と言っておきながら、なんだかいきなりクライマックスみたいな着物……小袖から始まります。
これが下着かよぉ!?貴族って着るもの違うなあぁぁ……

第1章 モードの誕生 の感想

普通の方も色とりどりの着物を着ていた……え?そうだったの???
質素な色や模様も大人しいという無知な印象をいきなり覆されます。
その様子はWebサイトにも掲載されている「観楓図屛風」でしっかりと描かれてました。
(引用していいのか…?ブログ初心者なので今回は控えます)
屏風で描かれる人物って、その雰囲気に合わせて……とかではなかったのか。

第2章 京モード 江戸モード の感想

時代は江戸。京都と江戸それぞれの着物文化の展示。

京都では第2代将軍 徳川秀忠の和子が京都に移り住んだ際に仕立てた着物が京都で流行ったとか。
初めの「小袖 黒綸子地波鴛鴦模様」はめちゃくちゃまじまじ魅入ってしまいました。
金糸の詩集表現、鹿子絞り……ひやぁあぁ……。

江戸では、商人たちがここぞとばかりに豪華な着物を仕立てて破産する家が多かったそうで……。
なんでしょう、今でいうマウンティング?とはちょっと違うか……。

そして、そして、ここ、ここ……、ここで尾形光琳の名前をお見掛けするとは!
ばっちりきもの展のWebサイトでも書いてますけどね。
文字で流すのと、展示を回って観るではインパクトが違う。
光琳、めちゃくちゃ好きというわけではないですが、見知った分野が出てくるとなんだか嬉しいしまじまじ観てしまった。
新しい知識がまた一つ増えました。

あと、大河ドラマで好きになった篤姫
雀が好きだったんですね!
島津家からの徳川家に移ってホント色々なものを背負って生きた方だと思います。
確か、音声ガイドで子宝とか意味するとか言っていたように思うのですが、着るものにも想いが込められていると思うとなんだか胸にくるものがあります。

これ、雪の部分の表現とかめちゃくちゃすごかったです。
盛り上がってるんですよ!

第3章 男の美学 の感想

ありきたりな感想ですが、信長、秀吉、家康の展示は各々の好みが反映されてて三者三様だなぁ!
印象通り。でも、この人はこうといえるアイデンティティがあるっていいな。

若衆の振袖は男性ということもあるのかな?戦などの女性とはまた図柄が違う。
そう言えば、地元はまだ似たような男性用の振袖を作る文化があるなぁとふと思いました。
図柄によっては女の子の成人式の振袖として着れますよ!という宣伝もされていたけど、
いや、さすがに鷹とか虎とかに松模様を着るってどんな女子だよと小さいながらに感じた感想。

そして、火消は江戸のヒーロー!!いいネーミング!!
しかも、なんかカッコイイ。生き様が本当にヒーロー。

第4章 モダニズムきもの の感想

今のおしゃれな着物に近い感じ。
図柄も西洋風なものも入ってきてる!
あと、工業が徐々にできつつある時代背景でつくられる着物もほぉおぉ…とそんなことあったんだという、新しい発見が。
(ちょっと時間が押していたのでこのあたりから流し見してしまいました)

第5章 KIMONOの現在 の感想

『今』の着物。
岡本太郎さんの着物は前述したように美術品を身にまとうをまさに体現した着物だなと思いました。
インスタレーションは……流し見してしまったのがもったいないくらい素晴らしかったです。
冬の表現が好きです。
その中央に鎮座していた着物も本当にすごいんです……。
2章の展示でもあったんですが、薄い生地に刺繍って……レースに刺繍と同じ感覚と似ているようで違うような気もするのですがどうなんだろう?
繊細で美しい……表現が、本当にどれもすごかったです。

 

全体の感想通り!すごかった!以上。(すごいしか言えない表現力の乏しさよ)
そのあと、本館で総合文化展で大包平を観たり、1階2階を2週周ったりで1日入り浸ってました。
あぁ……満足。

自宅待機のご褒美と思うと満足です。
また「コロナに感染するおそれがあるから自宅待機」をしつつ、
メリハリつけて、感染しないよう注意しつつ観に行けたらいいな。

まとめ

全体の感想通り!すごかった!以上。(すごいしか言えない表現力の乏しさよ) そのあと、本館で総合文化展で大包平を観たり、1階2階を2週周ったりで1日入り浸ってました。 あぁ……満足。

自宅待機のご褒美と思うと満足です。 また「コロナに感染するおそれがあるから自宅待機」をしつつ、 メリハリつけて、感染しないよう注意しつつ観に行けたらいいな。

 

補足

年明け、2021年になって記録映像が!!!